「Tracer9 GT」は、その優れたデザインと高い性能だけでなく、実際のライディング体験でも多くのライダーから絶賛されています。この記事では、前回に引き続き、実際にTracer9 GTに乗った際の乗り心地、操作性、長距離ツーリングでの使用感、そして街乗りでの利便性について詳しく紹介します。
「Tracer9 GT」の概要を紹介した記事もありますので、よろしければこちらもご参照ください。
乗り心地
YAMAHA Tracer9 GTは、その優れた乗り心地で多くのライダーから高評価を得ています。フロントにKYB製の43mm倒立フォーク、リアにKYB製のリンク式モノショックを採用し、電子制御も相まって、路面の凹凸をしっかり吸収してくれます。サスペンションの調整も簡単で、特にリアサスはプリロード調整が工具不要でできることから、ツーリング中の荷物の量や路面状況に合わせて最適なセッティングが可能です。
また、シートは広くてクッション性が高く、長時間のライディングでも疲れにくい設計となっています。更に快適性を高めるために、純正オプションの「コンフォートシート」導入も効果的ですが、ノーマルシートも性能としては十分だと思います。
コーナリング性能と直進安定性
Tracer9 GTは、その軽快な操作性も大きな魅力の一つです。「MT-09」譲りのフレームは軽量なアルミ製で、バイク全体の重量バランスが良いため、コーナリング時の安定感が抜群です。YAMAHA社特有のハンドリングも非常にスムーズで、低速走行から高速走行まで、一貫して快適な操作感を提供します。よく曲がる印象が強いのは確かですが、「MT-09」より延長されたスイングアームの効果もあり、直進安定性もしっかりしていることから、かなり高次元でバランスされていると感じます。
また、ライディングポジションもシート高とステップ位置が2段階から選べることもありかなり自然で、長時間のライディングでも快適です。
長距離ツーリングでの使用感
長距離ツーリングにおいて、Tracer9 GTはその真価を発揮します。まず、燃費が良好で、フルタンクでの航続距離が長いため、前回も述べたように頻繁な給油の必要がありません。(東京~名古屋間は無給油で走り切れます。)大型のフューエルタンク(約18リットル)は、山間部や北海道のようにガソリンスタンド間の距離が離れているような場所での長距離ツーリングにも最適です。
さらに、積載力も充実しており、純正のサイドケースやトップケースを簡単に取り付けることができます。また、GIVIを始めとしたサードパーティ製のフィッティングも充実していることから、私のように社外品のアルミケースなどで固めることも可能です。これにより、キャンプツーリングのように大量の荷物の運搬も便利です。
街乗りでの取り回し
Tracer9 GTは、街乗りでもその性能を十分に発揮します。軽量な車体と優れたハンドリングにより、混雑した市街地でもスムーズに走行できます。また、トラクションコントロールやABSといった安全装備が充実しているため、急な停止や滑りやすい路面でも安心して運転できます。
停車時の安定感は足つきに影響されるので体格差などで感じ方は異なりますが、車体自体は排気量の割に軽量なので、信号待ちや渋滞時でも比較的ストレスが少なめだと思います。
まとめ
このように、Tracer9 GTはその乗り心地、操作性、長距離ツーリングでの快適性、そして街乗りでの利便性と、多岐にわたるシチュエーションで高いパフォーマンスを発揮します。次の記事では、装備とアクセサリーについて詳しく見ていく予定です。