夏の暑さが本格的になってくると、バイク乗りにとって涼を求めたツーリングは最高の贅沢です。エンジンの音と風を感じながら走る喜びは格別で、特に標高の高い山間部や峠道を通ると、暑さを忘れる爽快感があります。今回は、都心からアクセスしやすいルートでありながら、避暑地として人気のある軽井沢や草津を巡り、最終的には標高1,000メートルを超える毛無峠まで向かう、涼を求めた夏のツーリングコースをご紹介します。
このコースは、真夏であっても清々しい空気を感じながら、自然豊かな山々を駆け抜けることができる絶好のルートです。途中には絶景スポットやグルメの楽しみも多く、長距離ツーリングを楽しむライダーにはぴったりのプランです。出発地点は東京の谷原交差点。ここから関越自動車道に入り、快適なツーリングがスタートします。目的地の毛無峠では、様々に変化する景色が待っており、締めくくりには長野県の湯田中温泉で心身ともにリフレッシュしてきました。
では、具体的にコースを紹介していきます。
- 谷原交差点をスタートして関越道へ
- 嵐山PAで朝食を取りながら休憩
- 秩父の街を眺めつつ志賀坂峠へ
- 巨大な上野ダムを堪能
- 南牧村の千歳屋飲食店で炭入り麺のラーメンをいただく
- 妙義山を経由して、国道18号線で旧国鉄の遺構を眺めながら碓氷峠超え
- 軽井沢から草津までは車は多いが涼しく快適
- 万座を経由して毛無峠へ
- 最後は湯田中温泉で宿泊
- まとめ
谷原交差点をスタートして関越道へ
夏のツーリングは、なるべく涼しい標高の高い山間部を走るのが醍醐味です。今回のツーリングは、関越道の東京側の起点にほど近い谷原交差点からスタートします。早朝の気温が低いうちに都心を離れたかったので、お盆前の平日7時ぐらいに通過しました。工事の影響もあり目白通りは軽く渋滞していましたが、工事は谷原交差点から練馬インターの間にある高架橋の部分だけなので、ここを過ぎてしまえば、比較的スムーズに流れ出しました。
嵐山PAで朝食を取りながら休憩
関越道に乗って最初の休憩ポイントは嵐山パーキングエリア。ここでは、朝食を取りながらゆっくりとしたひとときを楽しむことができます。PA内にはフードコートや小さな売店もあり、外にはちょっとした東屋もあるので、屋内でも屋外でも軽く食事を摂ることが出来ます。お隣の高坂SAは混んでいることが多いので、旅の初めに休憩だけが目的であればオススメできるスポットです。


秩父の街を眺めつつ志賀坂峠へ
嵐山PAで休憩して最初のインターチェンジである花園ICで関越道を降りた後、国道140号線で荒川沿いを進み志賀坂峠へと向かいます。長瀞などの景勝地や秩父の街並みを眺めながらのライディングは、東京から1時間ほどの場所とは思えない気分です。途中の皆野秩父バイパスの出口から国道299号線に入り、群馬方面を目指します。この道は、峠区間に入るとカーブが続きますが、全体的に整備が行き届いており、風景の変化が楽しめるコースです。


巨大な上野ダムを堪能
志賀坂峠を越えると群馬県に入り、神流町、上野村と進んでいきます。しばらく走ると「川の駅 上野」という道の駅的な施設があり、ここから御巣鷹山方面に向かうと上野ダムが見えてきます。ダム上流側の駐車場に向かうための道路はしっかりと整備されていますが、トンネルは照明が消されており、進入時にかなりの圧迫感があります(実際にトンネルの前で立ち往生する車も・・・)。虎王トンネル出てすぐ右側に駐車場が整備されています。ここからは遊歩道が整備されており、ダムの雄大さに圧倒されつつ、バイクを停めてしばしの間、自然の壮大さに浸ります。水面に映る青空と山々のコントラストが美しく、写真撮影には絶好のポイントです。






なお、ダムカードは前述の「川の駅 上野」でダムに行った証明となる写真を見せることでいただくことが出来ます。写真の撮り忘れにはご注意ください。
南牧村の千歳屋飲食店で炭入り麺のラーメンをいただく
上野ダムを後にし、次に目指すのは南牧村の千歳屋飲食店。「川の駅上野」から少し進んだところで群馬県道45号線に入り、立派な「湯の沢トンネル」を抜けて南牧村に入ります。ここでの目玉は、ユニークな炭入り麺のラーメンです。炭の風味が効いた独特な食感の麺と、白い鶏ガラスープがインパクト大。一緒にお願いした半チャーハンも美味しくいただき、しっかりとお腹も満たされました。


妙義山を経由して、国道18号線で旧国鉄の遺構を眺めながら碓氷峠超え
千歳屋での食事を終えたら、妙義山を経由して国道18号線へ。途中には旧国鉄の遺構が点在しており、鉄道ファンでなくても楽しめる、産業遺産が点在する興味深いルートです。碓氷峠の100以上も続くカーブを慎重に走りながら、歴史の一端を感じることができます。
軽井沢から草津までは車は多いが涼しく快適
碓氷峠を登り切ると長野県に入り、すぐに軽井沢の街が見えてきます。軽井沢に到着すると、観光地らしく一気に車が増えてきますが、さすが有名な避暑地だけあって、道沿いの緑と涼しさが心地よいです。そんな軽井沢の心地よい(?)渋滞にはまりつつ、国道146号線に入り、途中で国道292号線を繋いでさらに草津温泉を目指して北上すると、標高のアップダウンもそれほど大きくなく、気温も一定のレベルまで下がってくれるおかげで、快適なライディングが続きます。
草津温泉の市街地は駐車場が少ないので、草津温泉観光が目的でなければ、手前の「道の駅 草津運動茶屋公園」で休憩するのがおすすめです。
万座を経由して毛無峠へ
草津からは国道292号線を渋峠方面に向かいます。この草津温泉~渋峠は絶景がつながる区間として有名で、途中の殺生河原や見晴らし台では、素晴らしい眺望を楽しめます。


見晴し台を過ぎて少し進むと群馬県道466号線に入り、万座温泉を経由して毛無峠へと向かいます。標高が上がるにつれて、涼しさが増し、夏の暑さを忘れさせてくれます。毛無峠に到着すると、そこからの眺望は息をのむ美しさ。山々が連なる風景と、吹き抜ける風が心地よく、自然の涼を存分に味わえます。






なお、毛無峠までの道は比較的整備されている区間が多いですが、最後の数百メートルは舗装が剥がれている箇所が多く、最後は完全な未舗装路になるため、オンロードバイクの方はくれぐれも注意して進入してください。
最後は湯田中温泉で宿泊
一日の疲れを癒すために、最後の目的地である湯田中温泉に向かいます。本当は一度渋峠に戻って志賀高原経由で向かうことを考えたのですが、思ったより疲労が溜まっていたので、長野県道112号線で山を下り、小布施経由で向かいました。湯田中温泉は、古くから湯治場として知られ、湯量も豊富で効能も高いと評判です。温泉に浸かりながら、一日のツーリングの思い出を振り返る贅沢な時間を過ごすこととしました。
今回は到着時間が読めなかったこともあり、温泉に入ることが目的だったので、素泊まりの宿を探した結果、「ホテルゆだなか」さんにお世話になることにしました。ここもなかなか良かったのですが、詳細は次の機会にご紹介したいと思います。
まとめ
今回は真夏のツーリングということで、なるべく涼しい標高の高い場所を繋いで長野県に至るルートを辿ってみました。走行距離は300km程度でしたが、東京~埼玉~群馬~長野と4都県を巡り、様々な景色を楽しみながら圧倒的に涼しい環境でツーリングを楽しむことが出来ました。
酷暑の中では熱中症などの危険があるため、ツーリング自体を避ける傾向にありますが、ルートを工夫し、しっかりと体温を下げる装備を整えることで十分に楽しむことが可能です。過去記事でも夏のツーリングを快適にするコツを紹介していますので、参考にしていただきたながら、夏のツーリングを楽しんでください!