九州は美しい自然と豊かな文化が融合する地域であり、ツーリング愛好者にとって魅力的な目的地です。よく話題になる阿蘇周辺や温泉地を巡るツーリングルートも良いのですが、九州には沢山の内航フェリーがあり、これらを活用する海上ルートを利用したツーリングは、海風を感じながら美しい海景を楽しむことができるため、格別な体験となります。今回は、鹿児島から天草、そして長崎までの海上ルートを紹介します。
九州ツーリングについては、他にも過去記事がありますので、こちらも参考になさってください。
九州の南北のルート
九州を南北に走るルートは大まかに3つあります。それぞれのルートには独自の魅力があり、ツーリングプランに応じて選択できます。
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東ルート:宮崎県・大分県を経由するルートです。太平洋沿いを走るため、美しい海岸線を楽しむことができます。日南海岸や青島神社など観光名所も多く、走るだけでなく観光も楽しめます。
中央ルート:熊本県を経由するルートです。阿蘇山を含む阿蘇くじゅう国立公園を通過するため、壮大な山岳景観を楽しむことができます。温泉地も多く、休憩に最適です。ただし、熊本市内は混雑することが多いため、繁忙期には渋滞を避ける工夫が必要です。
西ルート:今回紹介する鹿児島から天草、そして長崎へ向かう海上ルートです。フェリーを利用して海を渡りながら進むため、海上の風景や島々の風情を満喫できます。熊本の混雑を回避しつつ、ゆったりとした旅を楽しむことができます。
西ルートの価値
中央ルートを通る熊本県は観光スポットが多いため、特に繁忙期には混雑が予想されます。(または、既に阿蘇周辺を楽しんだ場合に避ける際にも有効です。)そんな中、混雑を回避しながらゆったりと旅を楽しむために西ルートに注目したいと思います。このルートは時間がかかるものの、天草や島原など、訪れる価値のある場所を巡ることができます。
西ルートのフェリー
西ルートは主に2つのフェリーで構成されています。これにより、海上からの美しい景色を楽しむことができます。
三和商船フェリー(牛深港~蔵之元港)


島鉄フェリー(口之津港~鬼池港)
- 熊本県天草下島の鬼池港から長崎県島原半島の口之津港までを結ぶフェリーです。約30分の航海で、短時間ですが海風を感じながら快適に移動できます。こちらのフェリーもそれなりの大きさがありますが、ゴールデンウィーク期間中はやはりそれなりに混雑しており、出港ギリギリだとチケット購入にクレジットカード決済ができないなど注意する点がありました。時間に余裕を持って到着することをオススメします。
- 鬼池港からは天草上島へのアクセスも良く、島内観光の拠点としても最適です。
- また、島原側の口之津港からは島原半島各所への道が通じており、雲仙普賢岳へ一直線に登っていくことも、半島の海岸沿いを進むことも目的に合わせて選択することができます。
天草と島原の魅力
西ルートの最大の魅力は、天草と島原を巡ることができる点です。
天草
天草は美しい海と豊かな自然に恵まれた地域です。熊本からアクセスする場合は、天草五橋を渡るドライブは絶景が続き、旅のハイライトとなります。
今回は天草下島のみをめぐりましたが、新鮮な海の幸を味わえる食事が楽しめるのも魅力の一つです。天草松島の景観や、歴史ある教会群を訪れるのもおすすめです。




島原
天草からフェリーで移動すると、長崎県の島原半島に到着します。島原は、雲仙普賢岳や有明海の美しい景色を楽しめる場所です。温泉地も多く、旅の疲れを癒すのに最適です。また、島原城や武家屋敷などの歴史的な観光スポットも見どころです。
今回は天候が良くなかったこともあり、一般的な観光地は避けて、諫早湾干拓堤防を見学して長崎に向かいました。


長崎の魅力
西ルートの今回の終点である長崎市内には、歴史と文化が交錯する魅力的な観光スポットが多数あります。グラバー園や大浦天主堂、平和公園など、訪れるべき場所がたくさんあります。また、稲佐山からの夜景は「日本三大夜景」の一つとして知られ、ロマンチックなひとときを過ごせるスポットです。長崎ちゃんぽんやカステラなど、長崎ならではのグルメも堪能できるので、旅の締めくくりにぴったりです。




おわりに
西ルートを利用した九州ツーリングは、海上からの風景や島々の魅力を存分に楽しむことができます。混雑を避けつつ、ゆったりとした時間を過ごしながら特別な思い出を作ることができるでしょう。次のツーリングプランにぜひ、西ルートも検討に加えてみてください。